自社製品の瓶のデザインについて、「どのようなデザインにするべきか分からない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。自社製品に合った瓶のデザインを選ぶには、瓶の色や形状はもちろんのこと、機能性やブランドの世界観などもしっかり検討することが大切です。
本記事では、瓶のデザインを考えるにあたって押さえておきたい4要素や、ポイントを解説します。実例もご紹介していますので、瓶のデザインに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
- 瓶のデザインを構成する要素
- おしゃれな瓶のデザイン例
- 瓶のデザインを考える際のポイント・注意点
瓶のデザインを構成する4つの要素
瓶のデザインを構成する4つの要素

商品のデザインには「消費者にその魅力をわかりやすく伝える」という役割があり、マーケティングにおいてとても重要な要素です。瓶のデザインも例外ではありません。優れたデザインの瓶は、「顧客の目にとまりやすくなる」「独自性を強調できる」「商品の情報を端的に伝えられる」といったさまざまなメリットを生み出します。
瓶のデザインは、おもに以下の4つの要素から構成されています。
- 形状
- 色
- キャップ・栓
- ラベルデザイン
デザインを考える際には、これら4つの要素を検討する必要があります。
形状
形状
瓶の形状には、消費者に商品の情報をわかりやすく伝えるという役割があります。さらに、使いやすさも左右する重要な要素でもあります。だからこそ、瓶のデザインを設計するにあたっては、形状ごとの特徴を把握しておくことが大切です。
とくに、瓶に多く使われるガラス素材は、化学変化を起こしにくく、成形がしやすいため、さまざまな形状が存在し、用途も多岐にわたります。以下の表で、瓶の形状ごとの特徴をチェックしておきましょう。
| 瓶の名称 | 形状の説明 |
| 酒瓶 | ・注ぎ口が細く、胴体は太くなっているものが多い ・日本酒や焼酎などのお酒を長期間保存するために用いられる ・容量は180ml〜1,800mlが中心だが、それ以外のサイズもある |
| ワインボトル | ・「ボルドー型」「ブルゴーニュ型」「シャンパン型」など製造地域によってさまざまな形状がある ・容量は375mlと750mlが中心 |
| ビール瓶 | ・酒瓶同様、注ぎ口が細く、胴体が太くなっているタイプが一般的 ・発泡酒用に、注ぎ口は王冠タイプ ・小瓶(334ml)、中瓶(500ml)、大瓶(633ml)の3サイズがメイン ・遮光性を高めるために茶色の瓶が用いられることが多い |
| ウイスキー瓶 | ・丸みを帯びたものや角張ったものなどさまざまな形状がある ・飲み終わった後にインテリアとして用いられることもある |
| 牛乳瓶 | ・広口で透明度が高い ・紙パックに比べて冷えやすい |
| 調味料瓶 | ・塩のような粉末状の調味料に適した広口型と、醤油などの液体状の調味料に適した細口型などがある |
| 食料瓶 | ・ジャムやハチミツなどの保存に用いられる ・広口であることが多い |
| 薬品瓶 | ・ガラス製は耐薬品性が高い ・薬品の変質を防ぐため遮光性の高い色のものが多い |
| インテリア瓶 | ・デザイン性を重視して用いられるため形状は多種多様 |
色
色
瓶の色は、商品のデザイン性と機能性に影響を与える大切な要素です。
瓶の材料に使われるガラスは本来透明ですが、ガラスの生成時に酸化物などを加えることで茶色、緑色、青色、黒色などにできます。静電塗装を行えば、より幅広いカラーや質感を表現できます。
内容物の色味を活かしたい場合は透明度の高いもの、清涼感や重厚感を演出したい場合は色付きの瓶を選ぶなど、商品の持つ印象に合わせて選ぶとよいでしょう。
なお、着色ガラスは遮光性の機能も有しており、紫外線から中身を守って品質を保持するのに役立ちます。日本酒やビール、薬品用の瓶に、緑色や茶色の瓶が多いのはそのためです。
キャップ・栓
キャップ・栓
キャップや栓も、機能性とデザイン性の両面からしっかり検討しましょう。
機能性においては、食品・飲料・化粧品・医薬品などの衛生管理が求められる商品では、基本的に密閉性の高いキャップや栓が求められます。開けやすさや密封性、再封可能性といった「使いやすさ」を考慮することも大切です。
一方、キャップの素材や形状に工夫を加えれば、商品の個性やブランドらしさを演出できます。商品の特性や利用シーンに適したキャップ・栓選びが、ユーザー満足度の向上やブランド価値の訴求につながります。
ラベルデザイン
ラベルデザイン
ラベルデザインは、消費者の購買判断を左右する重要な要素です。商品の特徴やブランドの世界観を、消費者にわかりやすく伝えることが求められます。
とくに、多くの競合商品が陳列された売り場では、消費者にどのような第一印象を与えるかが売上に直結します。商品の中身をイメージさせる色使いやフォントを採用し、複数のフルーツを使った商品ならカラフルなものにする、子ども向け商品であればかわいらしいイラストやアイコンをパッケージに取り入れるなど、ターゲットに合わせたデザインにしましょう。
優れたラベルデザインは、消費者にどのような商品かを直感的に理解させることができ、信頼感や安心感も与えられます。
あえてラベルを付けないことで瓶の透明感を引き立たせ、ブランドの世界観や高級感を演出するのも効果的です。ラベルレスは近年、環境配慮型パッケージとしても注目されています。
瓶のデザインの例
瓶のデザインの例
ここからは、魅力的な瓶のデザインを5つご紹介します。いずれも、日硝実業が運営するショッピングサイト「つつむすび」で取り扱っています。気になる商品がありましたら、ぜひチェックしてみてください。
スタッキングワインA型
スタッキングワインA型

スタッキングワインA型は、丸みを帯びた小型の瓶です。飲料やシロップ用の容器としてはもちろん、ディフューザーやフレグランス容器としても活用できます。とくに、高級感のあるアイテムにマッチする商品です。

さらに、別タイプの商品「スタッキングワインB型」の上に積み重ねると、ワインボトルのような見た目になります。セット商品として活用できるほか、中身がなくなった後もインテリアとして飾っておける、遊び心と実用性を兼ね備えた商品です。
キャップは別売りとなっているため、組み合わせ次第で雰囲気を変えられるのも魅力です。例えば、ゴールドのキャップを合わせれば高級感を演出できます。商品イメージに合った組み合わせを探してみてください。
NJ-140C
NJ-140C

NJ-140Cは、角張った形が特徴的な140ml容量の瓶です。手のひらサイズで、かわいらしい印象を与えたい商品にぴったりといえます。
瓶同士を積み重ねやすいのもポイント。商品を製造・陳列する際も安心で、かつ自由度の高いディスプレイができます。また、側面が平らなためラベルが貼りやすく、陳列する際に商品の特徴をアピールしやすい点も魅力です。
容量が200mlの「NJ-200C」もあり、シリーズ商品を容量違いで展開したい場合にもお使いいただけます。
SSG-200B(透明)
SSG-200B(透明)

SSG-200B(透明)は、他ではあまり見かけない円錐型のデザインで、スタイリッシュな雰囲気が特徴です。競合商品と一緒に陳列されても、独自性をアピールできるでしょう。
また、ドレッシングなどの容器として活用すれば、食卓をおしゃれに演出してくれます。
IREMON JARS 398-70
IREMON JARS 398-70

IREMON JARS 398-70は、家庭での再利用を念頭に作られた、実用性が高い小瓶です。
その特徴は、開閉や持ち運びに便利な「みみ」と、計量に役立つ「目盛り」が付いていること、また広口で中身を取りやすいのもポイントです。オリジナリティの高い見た目でありながら、幅広い用途で使えるデザインとなっています。
対応するフタも多様な種類があり、商品コンセプトに合わせて選べます。
OSG-375角A(透明)
OSG-375角A(透明)

OSG-375角A(透明)は、ウイスキー瓶を彷彿とさせる重厚感のある形状でありながら、緩やかなカーブを描く部分もあり、柔らかな印象も与えるデザインです。
お酒やジュースの容器として活用すれば、高級感と特別感を演出できます。
瓶のデザインを考える際のポイント・注意点
瓶のデザインを考える際のポイント・注意点

容器には商品のアピールだけでなく、内容物の保護や機能性の確保といった役割も求められます。そのため、瓶のデザインを考える際は商品の魅力を伝えて差別化を図る一方で、消費者にとっての利便性や安心感を保つよう配慮することも必要です。
ここからは、瓶のデザインを考える際に押さえておきたい重要なポイントや注意点を4つご紹介します。
消費者の視点から機能性を設計する
消費者の視点から機能性を設計する
瓶の機能性を考える際は、消費者の視点に立つことが大切です。想定する使用シーンや消費者のライフスタイルをシミュレーションし、「片手で持ちやすい形状になっているか?」「スムーズに開けられるキャップの構造になっているか?」「誤って別の用途で使われないよう、外観を明確に差別化できているか?」などの点を入念に検証しましょう。
優れた機能性は消費者の信頼獲得に役立ちますし、満足度の向上、リピート購入につながります。さらに、特定の利便性を意識してデザイン設計すれば、他社商品との差別化を図ることも可能です。
強度や密封性を高めておくことも、輸送時・保管時のトラブル防止に効果的です。
ブランド価値をデザインに落とし込む
ブランド価値をデザインに落とし込む
ブランドの世界観や商品コンセプトを視覚的に伝えることも大切です。
例えば、プレミア感を演出したい場合は、重量感のある形状や光沢のあるキャップ、洗練されたラベルデザインを採用すれば、高級感を強調できます。一方、親しみやすさや手軽さを打ち出したい場合、丸みのある形状やカラフルなラベルなど、柔らかい印象の要素を組み合わせると効果的です。
なかでもラベルデザインは重要です。ラベルはコレクションとしての付加価値がつくケースもあり、商品のブランディングにおいても非常に重要な要素となります。
ただし、情報を詰め込みすぎると視認性が低下し、どのような商品なのかがかえって伝わらなくなる可能性があります。ブランドの世界観を伝えながら、限られたスペースで必要な情報を簡潔かつ的確に伝える情報設計が欠かせません。
トレンドを反映する
トレンドを反映する
時代や消費者の価値観に合ったトレンドも積極的に取り入れましょう。現在の市場で注目されている要素を瓶のデザインに反映させれば、消費者の関心を引きやすくなります。
近年は、商品の第一印象が購入の決め手となるケースも多く、瓶のデザインにも「写真映え」や「共感性」が求められます。定期的にSNSなどをチェックしてトレンドを把握し、自社商品のターゲット層が反応しやすいスタイルや要素を見極めることが肝要です。
著作権や関連法を遵守する
著作権や関連法を遵守する
瓶のデザインを行う際には、法令の遵守も重要な課題となります。
既存商品のデザインに酷似していたり、ラベル上に誇張表現や不適切な表記があったりした場合、著作権法や不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)などに抵触する恐れがあります。法令違反は、ブランドイメージの毀損や損害賠償などの重大なリスクを招きかねません。
こうしたトラブルを未然に防ぐには、デザインの検討段階から複数人で法令関連を確認する体制を整え、第三者の視点を取り入れながら進めることが重要です。完成後も法的な観点でのチェックを徹底し、安全かつ信頼性のある商品デザインを目指しましょう。
まとめ
まとめ
瓶のデザインを考えるにあたってまず押さえておきたいのが、形状、色、キャップ・栓、ラベルデザインの4つの要素です。ブランドの世界観やターゲット層にマッチしたデザインを、多角的な視点から考える必要があります。
機能性の追求も大切です。消費者の目にとまりやすく、なおかつ使いやすいデザインを目指しましょう。法律の遵守も必須です。
日硝実業では、瓶のデザイン・開発・販売などを行っています。自社製品の価値を上げるような魅力的な瓶を探している方は、ぜひお問い合わせください。











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