化粧品OEMにおける容器の選び方|重要性や調達方法を踏まえて解説

日硝実業株式会社|NISSHO JITSUGYO CO,.LTD.

化粧品を新規開発するにあたり、容器の調達方法に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。化粧品容器の調達方法には、①自社で設計・製造する、②容器メーカーから調達する、③OEMメーカーに一括依頼するなど、複数の選択肢があります。

この記事では、化粧品容器の重要性や調達方法、選ぶ際の注意点をご紹介します。新しく開発する化粧品の容器選びに迷っている方や、化粧品容器のOEMについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

化粧品のOEMにおける容器の重要性

化粧品のOEMにおける容器の重要性

化粧品OEMにおける容器は、以下の3つの役割を担っています。

  • 第一印象で差別化する
  • ブランドイメージの構築を図る
  • 内容物を保護する

上記について理解しておけば、どのような容器を選定すべきかが見えてきます。

第一印象で差別化する

第一印象で差別化する

画像出典:化粧品産業の持続的な発展における 今後の方向性に関する調査

2005年度には1,500億円規模だった化粧品OEM市場は、2019年度には3,500億円まで増え、今後も拡大傾向が見込まれます。このように競争が激化するなか、差別化の鍵となるのが容器です。

消費者のなかには、商品の効能や魅力、ブランドよりも、パッケージデザインに惹かれて購入を決める方が一定数存在します。特に化粧品は、「パケ買いコスメ」という言葉が生まれるほど、パッケージデザインは購買意欲に直結しています。

だからこそ、容器の見た目や形状にもこだわって、他社の商品と差別化を図ることが重要なのです。トレンドを踏まえ、ターゲット層の感性に響くパッケージを採用すれば、店頭やECサイトでの注目度を高めることができます。

ブランドイメージの構築を図る

ブランドイメージの構築を図る

化粧品の容器は商品そのものの印象を形づくると同時に、ブランド全体の世界観を視覚的に伝える重要な役割を担います

例えば、自社の他の製品と色や質感を統一すれば、シリーズ感が生まれ、ブランドの認知度が向上します。また、統一されたデザインは消費者に信頼感や安心感を与え、満足度や再購入率も高めてくれるでしょう。

さらに、インフルエンサーや多くの消費者に支持されれば、SNS等で拡散されて予想以上の売り上げを狙えます。

ブランドの価値を高めるためにも、容器のデザインは自社のカラーや他商品との兼ね合いを含めて慎重に設計すべきです。

内容物を保護する

内容物を保護する

容器には、中身の品質を守るという大切な役割もあります。化粧品は性質によって推奨される保管環境や取り扱いが異なるため、適切な形状・材質を選ぶことが大切です。

例えば、誤って倒しても液漏れしにくい構造や、手で持ちやすい形状、持ち運びやすいサイズ・重量を採用すれば、使い勝手と内容物の保護性を両立できます。

もちろんデザイン性も求められます。消費者目線に立ち、普段使いするうえで便利かつおしゃれで、中身も守れるような容器を選びましょう。

化粧品のOEM製造で容器を調達する方法

化粧品のOEM製造で容器を調達する方法

化粧品のOEM製造を委託している場合、容器の調達方法として代表的なのが以下の2つです。

  • OEMメーカーに一括依頼する方法
  • 自分で容器メーカーから調達する方法

手間を省きたいなら一括依頼がおすすめですが、こだわりをもって容器を選択したいのであれば、自社で調達するという方法もあります。それぞれの方法について詳しく解説していきます。

OEMメーカーに一括依頼する方法

OEMメーカーに一括依頼する方法

化粧品のOEM製造を委託している場合、容器の調達方法としてまず考えられるのが、OEMメーカーに容器選定から一括で依頼する方法です。

OEMメーカーに一括依頼するメリットは、余計な手間がかからずスムーズに商品開発を進められることです。容器の専門知識がない場合や、納期を重視したい企業には有効な方法といえるでしょう。

一方で、既製の容器のなかから選ぶことが多いため、小ロットでの対応が難しいケースがあります。場合によっては、希望する容器が使えない可能性もあります。

さらに、他社とデザインがかぶる可能性があるなど、差別化の面では期待どおりの成果が得られないかもしれません。容器の仕様にこだわりたいなら、OEMメーカーとの事前の相談が必要です。

自分で容器メーカーから調達する方法

自分で容器メーカーから調達する方法

容器を自社で選定し、OEMメーカーに持ち込む方法もあります。オリジナル性の高い容器を使用できるため、ブランド独自の世界観を表現しやすく、デザインや機能性にこだわりたい企業におすすめの方法です。

ただし、容器の在庫を自社で管理する必要があるほか、内容物との適合性や充填作業に支障がないかをOEMメーカー側と綿密に確認する作業も発生します。また、容器の形状や生産ロット数によっては対応できないOEMメーカーもあるため、複数社に依頼しなければいけない可能性がある点にも注意しましょう。

なお、商品の企画段階から設計・生産・品質管理まで一貫して対応できる容器メーカーもあります。容器のデザインや機能性にこだわりつつも、調整の手間を軽減したいなら、容器メーカー選びも重要なポイントとなります。

化粧品OEMで容器を選ぶポイント

化粧品OEMで容器を選ぶポイント

化粧品OEMで容器を選ぶポイントは以下の5つです。

  • 中身との相性
  • 使いやすさ
  • デザイン性
  • 安全性
  • 環境への配慮

容器選びのポイントを把握しておけば、選定時に失敗しにくくなります。順番に解説しますので、ぜひ確認してください。

化粧品容器の種類については以下の記事で詳しく解説しています。

中身との相性

中身との相性

化粧品の中身(内容物)によって、相性がよい容器が異なります。

例えば、クリーム状の化粧品には、適度なやわらかさと密閉性を備えたチューブ型の容器が適しています。一方、液状の化粧品には、容量調節がしやすいポンプボトルやキャップ付きの容器がおすすめです。

中身との相性が悪い容器を選定してしまうと、商品の価値が損なわれます。化粧品の性質を理解し、適した容器を選定しましょう。

使いやすさ

使いやすさ

化粧品は日常的に使用されるため、容器の使いやすさも大切です。キャップの開閉のしやすさ、適量を取り出せる構造、片手でも使いやすい形状など、利便性を高める工夫が求められます

近年は、エアレスポンプやワンタッチ開閉、二層構造などの高機能容器も注目されており、売り上げに直結する要素となっています。持ち運び用途であれば、軽量で収納しやすいかどうかも考慮しなければなりません。

この他、液だれ防止や酸化防止、定量噴霧といった機能も差別化のポイントとなります。

デザイン性

デザイン性

化粧品の容器は、商品のコンセプトや魅力がひと目で伝わり、ターゲット層の印象に残るデザインを目指しましょう。

例えば、自然派志向の化粧品であれば、ナチュラルな色味やマットな質感の容器を採用し、やわらかなフォントを使ったラベルデザインを採用することで、やさしくて親しみやすい世界観を表現できます。

40~50代女性をターゲットにする場合は、若い女性が好みそうな鮮やかな色彩ではなく、落ち着いた色をメインに使用したデザインにするなどの配慮が必要です。

ターゲット層と乖離したデザインは、見た目で手に取ってもらう機会を減らしてしまいます。このような失敗を回避するには、自社の化粧品の強みをしっかりと把握し、コンセプトやターゲットを具体的に設定するプロセスが欠かせません。

安全性

安全性

化粧品は肌に直接使用するものです。だからこそ容器は、内容物の品質を安全に保持できる構造・素材であることが求められます

遮光性や密閉性、防腐性などに配慮した素材・設計の容器であれば、化粧品の変質や劣化を遅らせることができます。使用中の液漏れや異物混入を防ぐための構造的な工夫も必要です。

さらに、海外展開を視野に入れる場合は、EUのREACH規則など、各国の規制に対応した素材・設計を選ばなければいけません。OEMメーカーに一括依頼するにしても、容器メーカーで容器を調達するにしても、輸出先独自の規制に対応できるメーカーを選ぶことが重要です。

EUのREACH規制については、以下の記事で詳しく解説しています。

環境への配慮

環境への配慮

SDGsや環境保全への関心が高まり、環境に配慮された化粧品を選ぶ消費者が増えています。容器を選ぶ際には、環境汚染や地球温暖化に配慮した素材・設計であるかどうかも確認するとよいでしょう。

環境に配慮した容器には、再生紙を利用した容器やリサイクルガラスを使った容器などがあります。プラスチック製の容器においても、バイオマス由来の素材やグリーンナノ添加により環境負荷の低減が図られた素材など、より地球に優しい素材への移行が進んでいます。

容器選びには企業の姿勢が反映されるといっても過言ではありません。エシカル消費を意識すれば、消費者からの評価を得やすくなるはずです。

エシカル消費については以下の記事で詳しく解説しています。

化粧品OEMの容器調達時に確認すべきこと

化粧品OEMの容器調達時に確認すべきこと

化粧品OEMの容器調達時には、以下の2点を事前に確認しておきましょう。

  • 理想の容器の実現性
  • 生産コスト・納期

上記を事前に確認しておかないと、容器の調達が最初からやり直しになる恐れもあります。

理想の容器の実現性

理想の容器の実現性

調達先によっては、希望する容器サイズや形状に対応できなかったり、デザインの選択肢が限られていたりする可能性があります。同じ調達先を使っている他社の商品と、差別化が難しくなるケースも考えられます。

以下の3点を満たし、取引先にしっかり伴走してくれる調達先を見つけられれば、その分、理想に近い商品を実現しやすくなります

  • 丁寧なヒアリングを実施している
  • 容器のラインナップが充実している
  • オリジナル容器の提案が可能

化粧品にとって容器の見た目は商品の売り上げに直結するポイントです。だからこそ、OEMを委託するメーカー選びは妥協せず臨みましょう。

生産コスト・納期

生産コスト・納期

容器の作成を依頼する際には、コストや納期といった実務面も踏まえて検討することが大切です。コストは容器の素材や構造、印刷方式、ロット数などによって大きく変動するため、原価率や販売価格とのバランスを見ながら選定する必要があります

また、容器の設計やサンプル製作には一定の時間がかかるため、商品発売までのスケジュールを逆算して進めることが求められます。トラブルが起きても予定どおり発売できるよう、コストと期間の両面で無理のない計画を立てましょう。

まとめ

まとめ

自社に容器開発の実績や製造施設がない場合は、化粧品容器のOEMをおすすめします。自社で0から開発するよりも低コストで、クオリティの高い化粧品容器を用意できます。

日硝実業には、50年以上にわたり容器包装を手がけてきたノウハウがあり、お客様のニーズに合わせたOEM容器開発が可能です。年間数千万本の大量生産から、少量限定品まで幅広く対応できます。興味のある方は以下のリンクよりお問い合わせください。

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