パウチは軽量で携帯性に優れ、食品から化粧品まで幅広い商品に活用されているパッケージです。近年では環境配慮への関心の高まりから、紙素材を使用したパウチや、デザインの工夫により商品価値を高める事例が増えています。
この記事では、7つのパウチデザインの実例を通じて、商品の魅力を最大限に引き出すデザイン設計のポイントをご紹介します。
- パウチのパッケージデザイン事例
- パウチのパッケージデザインのポイント
パウチのパッケージデザイン事例7選
パウチのパッケージデザイン事例7選
パウチのパッケージデザインは、ブランドの世界観を表現しながら、環境配慮や機能性を両立させることが求められています。
ここからは、優れたデザインと技術革新により、市場で高い評価を得ている7つの事例をご紹介します。紙素材の活用やユニークな形状など、それぞれの工夫に注目してみましょう。
パッケージデザインの例については、以下の記事もご覧ください。
パッケージデザイン例|デザインによる効果やパッケージのアイデアをご紹介
雪肌精クリアウェルネスシリーズ
雪肌精クリアウェルネスシリーズ

画像出典:雪肌精クリアウェルネスシリーズ 紙素材スタンディングパウチ|TOPPAN株式会社
株式会社コーセーが展開する「雪肌精クリアウェルネス」シリーズでは、TOPPAN株式会社と共同で、紙単一素材のスタンディングパウチを開発しました。
通常であれば、パウチ容器には紙素材とプラスチック層を組み合わせる必要があります。
しかし、このスタンディングパウチは、TOPPAN独自の加工技術により、紙素材と接着効果のあるコーティング剤のみでの製袋を実現しています。
この革新的な技術によって、プラスチックフィルムを使用した従来品に比べ、CO₂排出量を約28%削減しました。ブランドメッセージである「あなたが美しくなると、地球も美しくなる。」を体現するデザインとして、環境意識の高い消費者から高い評価を得ています。
出典:雪肌精クリアウェルネスシリーズ 紙素材スタンディングパウチ|TOPPAN株式会社
クリアターン 毛穴小町 ピールオフパック
クリアターン 毛穴小町 ピールオフパック

画像出典:スパウトパウチ「クリアターン 毛穴小町 ピールオフパック」 ジャパンパッケージングコンペティション 化粧品部門賞 受賞の お知らせ
「クリアターン 毛穴小町 ピールオフパック」は、2023年のジャパンパッケージングコンペティションの化粧品部門賞を受賞しました。このスパウトパウチは、藤森工業株式会社、コーセーコスメポート株式会社、北村化学産業株式会社の3社が共同開発したものです。
口径5mmの小さなスパウトや、八角形のキャップ形状、角に丸みを持たせたデザインなど、機能性とデザイン性の両立が高く評価されています。キャップ表面には細かな凹凸を施し、濡れた手でも開けやすい仕様となっています。上部に設けられた引っかけ穴により、吊るし陳列にも対応可能です。
また、コンパクトな形状により、使いやすさを保ちながら樹脂使用量とCO₂排出量の削減にも貢献しています。環境配慮とユーザー体験を両立したパッケージデザインの好例といえるでしょう。
出典:スパウトパウチ「クリアターン 毛穴小町 ピールオフパック」 ジャパンパッケージングコンペティション 化粧品部門賞 受賞の お知らせ
ほんだし®
ほんだし®

画像出典:プラスチックごみ削減へ〜味の素グループのプラスチック廃棄物ゼロ化への取り組み _ ストーリー _ 味の素グループ
味の素株式会社の「ほんだし®」スティック品は、デザインの力で環境配慮と生活者の楽しさを両立させた優れた事例です。
パッケージを従来のプラスチックから紙に変更するにあたり、パッケージ裏面に全6種類の「ぬりえ」デザインを施すことで、「紙だからこそできる体験」を創出しました。調理の合間に親子で楽しめるコミュニケーションツールとしても活用されています。
機能面でも、紙素材でありながら従来のプラスチック包材に劣らない強度や保存性を確保し、年間約32トンものプラスチック削減を実現しました。デザインの工夫を通じて、環境配慮、機能性、そしてブランド体験の3つの要素を高次元で融合させています。
出典:プラスチックごみ削減へ〜味の素グループのプラスチック廃棄物ゼロ化への取り組み _ ストーリー _ 味の素グループ
茅乃舎 鍋のだしとつゆシリーズ
茅乃舎 鍋のだしとつゆシリーズ

画像出典:茅乃舎のだし鍋のだしとつゆ|茅乃舎(かやのや)|久原本家通販サイト(公式).
株式会社久原本家 茅乃舎の「鍋のだしとつゆ」シリーズ(全13品)は、パッケージリニューアルにおいて、和紙調の雲竜紙を表面に採用しました。
紙ならではの柔らかな風合いに加え、商品ごとに異なる鮮やかなアイキャッチカラーを組み合わせることで、店頭での視認性と高級感を両立させています。また、陳列時の美しさを重視し、折り癖の改善など細部にまで丁寧な設計が施されています。
機能面では、アルミ箔の使用を廃止しながらも、保存性、自立性、発色性を維持することに成功し、プラスチック使用量を約30%削減しました。ブランドが大切にする「和」のイメージや高級感を損なうことなく、環境配慮とブランド美を両立させた、秀逸なパッケージデザインの事例です。
出典:茅乃舎のだし鍋のだしとつゆ|茅乃舎(かやのや)|久原本家通販サイト(公式).
1,2,CUBE
1,2,CUBE

画像出典:フリーズドライ飲料「1,2,CUBE」紙素材チャック付きスタンディングパウチ|TOPPAN株式会社
日本コカ・コーラ株式会社のフリーズドライ飲料「1,2,CUBE」では、TOPPAN株式会社が開発した紙素材のチャック付きスタンディングパウチが採用されました。このパッケージは、環境配慮と機能性を見事に両立させています。
パウチのベース素材に紙を使用しつつ、TOPPAN独自の透明バリアフィルム「GL BARRIER」を組み合わせることで、フリーズドライ製品に不可欠な高い防湿性と品質保持性を実現しました。さらに、開封後も品質を保てるチャック機能を備え、再封性にも優れています。
紙の持つ自然な質感や風合いが、ブランドの世界観ともマッチし、「サステナブルな容器」を求める企業のビジョンに応えるデザインとして高く評価されています。
出典:フリーズドライ飲料「1,2,CUBE」紙素材チャック付きスタンディングパウチ|TOPPAN株式会社
ハコネーゼ(Haconese)
ハコネーゼ(Haconese)

画像出典:創味ハコネーゼ ソテーした挽肉とハーブ香る絶品クリーミーボロネーゼ|商品情報
創味食品株式会社が展開する「ハコネーゼ(Haconese)」は、「外箱を使わないパスタソース」という革新的なコンセプトで市場に登場しました。パウチ自体が店頭で消費者の目を引くように、カラフルで強い印象を与えるグラフィックデザインを採用し、棚での存在感を高めています。
さらに、このパウチは電子レンジ対応となっており、湯煎の必要がなくそのまま調理が可能です。消費者の利便性を高めるだけでなく、調理時のエネルギー消費を抑え、CO₂排出量の削減にも貢献します。
外装を省いて中身の価値を高めたデザインは、創味食品が新たな市場カテゴリを確立し、成功を収めた象徴的な事例といえるでしょう。
出典:創味ハコネーゼ ソテーした挽肉とハーブ香る絶品クリーミーボロネーゼ|商品情報
ORGANIC SPICE
ORGANIC SPICE

画像出典:ORGANIC SPICE(オーガニックスパイス)| エスビー食品株式会社
エスビー食品株式会社の「ORGANIC SPICE」シリーズは、有機JAS認定・フェアトレード認証の原料を使用したこだわりの商品です。新商品の「ORGANIC HERB SALT」では、ブランドの世界観を体現するために紙製パウチを採用しました。
紙特有の温かみのある質感が、ブランドのナチュラルでオーガニックなイメージを引き立てます。消費者からは「パッケージが可愛くて購入した」との声も多く寄せられました。
環境面では、紙を51%以上配合することで「紙マーク」認証を取得し、燃えるごみとして廃棄可能にしました。その結果、従来のパウチと比較してプラスチック使用量を約30%、CO₂排出量を約8%削減しています。
この取り組みは高く評価され、「2023 日本パッケージングコンテスト 食品包装部門賞」および「2024 ジャパンパッケージングコンペティション 洋食品部門賞」を受賞しました。環境性とデザイン性を高度に両立させたパッケージとして注目されています。
パウチのデザインを設計する際のポイント
パウチのデザインを設計する際のポイント

パウチのデザインを成功させるには、見た目の美しさだけでなく、ターゲット層のニーズや商品特性を深く理解することが重要です。
以下では、魅力的なパウチデザインを実現するために押さえておきたい、2つのポイントをご紹介します。
ターゲットニーズ・商品コンセプトをデザインに落とし込む
ターゲットニーズ・商品コンセプトをデザインに落とし込む
パウチは食品・サプリメント・化粧品など幅広い分野で使われます。そのため、ターゲットと、何を伝えたいか(コンセプト)を明確にすることが重要です。
たとえば、健康志向の高い層にはナチュラルカラーや紙素材で安心感を演出し、子育て世代には温かみや親しみを感じる色味を採用するとよいでしょう。ターゲットの感情に寄り添ったビジュアル表現が効果的です。
また、商品名・成分・使用方法といった購入判断に必要な情報は、視認性を意識してレイアウトし、ブランドの世界観と統一感をもたせることで、信頼感のあるパッケージに仕上がります。
機能面での配慮を忘れない
機能面での配慮を忘れない
パウチは、容器・包装として保護機能や開封機能のほか、携帯性といった実用面も重視されます。商品の特性に合わせて、防湿性・遮光性・耐久性のある素材を選びましょう。
また、ノッチやジッパーなど開けやすさへの工夫、自立するスタンド型や注ぎやすいスパウト型などの形状選びが、ユーザー体験を左右する重要な要素となります。見た目の美しさだけでなく、使いやすさを兼ね備えることで、顧客にとって本当に価値のあるデザインが実現できるでしょう。
まとめ
まとめ
この記事でご紹介した7つの事例からは、紙素材の活用によるCO₂削減、ユーザー体験を高める細部へのこだわり、ターゲットに響くビジュアル表現など、さまざまなアプローチが見られました。
パウチのデザインは、ブランドの世界観を表現しながら、環境配慮と機能性を両立させることが求められています。効果的なデザインを実現するには、ターゲットニーズや商品特性を正確に捉えたうえで、実用面への配慮も欠かせません。
日硝実業では、パウチ容器をはじめとする、さまざまなパッケージソリューションをご提案しています。商品の魅力を最大限に引き出すパッケージデザインをお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。













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