化粧品容器の種類を材質・形状別に解説!選び方のポイントも紹介

日硝実業株式会社|NISSHO JITSUGYO CO,.LTD.

化粧品の容器は、単なる「入れ物」にとどまらず、製品の第一印象やブランドイメージに大きく影響する要素です。プラスチックやガラス、ボトル、ジャーなど、材質や形状によって見た目や使い勝手が変わるため、製品の特性やターゲット層に合わせた容器選びが求められます。

この記事では、化粧品容器の種類を材質・形状別に詳しく解説し、最適な容器選びのポイントをご紹介します。

この記事でわかること
  • 化粧品容器に使用される材質の種類
  • 化粧品容器に使用される形状の種類
  • 化粧品容器の種類を選ぶ際に重要なポイント
目次

【材質別】化粧品容器の種類

【材質別】化粧品容器の種類

化粧品容器は、材質によって特性が大きく異なります。プラスチック、バイオマスプラスチック、ガラス、金属など、それぞれの素材の特徴を見ていきましょう。

プラスチック

プラスチック

プラスチック素材は、軽量で加工しやすく、コスト面でも優れているため、化粧品容器に広く利用されています。さまざまな素材があるため、内容物や製品の用途に合ったものを選びましょう。

例えば、透明度が高いPETは化粧水ボトルに、耐熱性に優れているPPはクリーム容器に、柔軟性があるPEはチューブ状の容器によく使用されています。

素材名主な用途特徴
PP(ポリプロピレン)クリーム容器、ボトル類・軽量で耐薬品性
・耐熱性に優れる
・丈夫で割れにくく、再利用・リサイクルもしやすい
PE(ポリエチレン)クリームやジェルなどの半固形物を充填するチューブ容器、柔軟なボトル・柔らかく加工しやすい
・内容物の押し出しに適し、耐寒性も高い
・高温に弱く、変形しやすい
PET(ポリエチレンテレフタレート)化粧水・ヘアケア用ボトル・高い透明性と耐衝撃性を持つ
・軽量で美観も良く、リサイクル性が高い
AS(アクリロニトリルスチレン)高級感のあるクリーム容器・フタなど・透明性
・硬さを兼ね備える
・見た目がガラスのように美しく、耐薬品性も高い
・耐衝撃性
・屋外耐久性はやや劣る
ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)メイクアップコンパクト、キャップなど・耐衝撃性
・光沢性が高い
・複雑形状の成形に強く、高級感のあるデザインに最適

バイオマスプラスチック

バイオマスプラスチック

バイオマスプラスチックとは、サトウキビやトウモロコシなどの植物由来の原料を使用した環境に優しい素材です。なかでも、サトウキビのしぼりかすから作られる「バイオマス樹脂」は、従来のプラスチックに比べてCO₂排出量が少なく、かつ容器としての強度や美観も兼ね備えています。

化粧品容器においても、環境意識の高まりを受けて、バイオマスプラスチックの採用が急速に進んでおり、SDGsに対応した環境配慮型の製品として注目されています。

ガラス

ガラス

ガラス製の容器は化学的に安定しており、内容物との反応が少ないことから、品質保持や高級感の演出に適した素材です特にソーダ石灰ガラスは透明性が高く、化粧水や香水のボトルに多用されています。

一方で、ほう珪酸ガラスは耐熱性や耐薬品性に優れ、美容液やスポイト容器などに使用される場合が多いです。密封性が高いため、内容物の酸化を防ぎ、品質を安定して保てるでしょう。

ただし、ガラス製の化粧品容器は割れやすいというリスクもあるため、持ち運びやパッケージングには配慮が必要です。

金属

金属

金属製の化粧品容器は、耐久性や高級感を求める製品に適しています。特に、アルミニウムやステンレスは軽量で強度が高く、外出時の携帯性にも優れている素材です。

また、表面加工によるさまざまなデザイン表現が可能で、ブランドの個性を引き立てる役割も果たしています。さらに近年では、金属3Dプリンターの進化により、繊細な装飾や複雑な形状の容器も製造できるようになり、独自性のあるパッケージ開発が進んでいます。

【形状別】化粧品容器の種類

【形状別】化粧品容器の種類

化粧品容器は、製品の使いやすさや品質保持に直結するポイントです。形状によって適した製品や使用感が異なるため、製品開発では目的に合った容器選びが欠かせません。

ここでは、代表的な化粧品容器の形状とその特徴について詳しくご紹介します。

ボトル容器

ボトル容器

ボトル容器は、液体やとろみのある化粧品に適した定番の形状です。化粧水や乳液、美容液など幅広い製品に採用されており、キャップやノズルのバリエーションも豊富です。近年は環境に配慮した詰め替え用製品も増加しており、サステナブルな観点からも注目されています。

主なボトル容器の種類と特徴を見ていきましょう。

ポンプボトル

ポンプボトル

ポンプボトルは、上部のポンプを押すだけで、使いたい量を衛生的に取り出せる容器です。片手での操作が可能なため、手が濡れているときでも使いやすく、乳液やクレンジング、ハンドソープ、シャンプーなど多くの製品で採用されています。

また、製品の粘度や用途に応じて、泡タイプやローションタイプなど、さまざまなタイプのノズルが開発されています。吐出量も細かく調整できるため、化粧品の使用シーンを考慮し、適切なノズルを選びましょう。

中栓容器

中栓容器

中栓容器は、ボトルの口部に中栓を設けて、内容物の出る量を調整できる構造の容器です。使用時には容器を傾けて適量を取り出すタイプで、化粧水や軽めの乳液など、比較的さらっとした質感の液体製品に適しています。

構造がシンプルで製造コストを抑えられるため、リーズナブルな製品にも多く採用されています。詰め替えに対応しやすい点も魅力です。

エアレス容器

エアレス容器

エアレス容器は、内部を真空状態に保つことで内容物が空気に触れず酸化しにくい構造を持っています酸化や細菌繁殖のリスクを最小限に抑えられるため、抗酸化成分を含む美容液や高価なオイル製品など、品質維持が重要な製品に適しています。

ポンプを押すと内部のピストンが上昇し、内容物を押し出す仕組みになっているため、残量に関わらず最後まで均一な量を取り出すことが可能です。ポンプ部分に光沢感のある素材を使用すると、高級感を演出できるでしょう。

スポイト容器

スポイト容器

スポイト容器は、ガラスやプラスチック製の容器にスポイトが付属した構造で、内容物を一滴ずつ取り出せる容器です美容液やフェイシャルオイル、アロマオイルなどの高濃度製品に多く用いられています。

スポイト容器は、使用量を細かく調整できるため無駄なく使用できます。内容物が空気や指に触れる機会が少ないため、品質を長期間保持することが可能です。

スプレー容器

スプレー容器

スプレー容器は、内容物を細かい霧状にして噴射する容器です。内容物を指で直接触れずに使用できます。化粧水やルームフレグランス、ヘアミスト、日焼け止めスプレーなど、広範囲に均等に塗布したい液体製品に適しています。

ワンプッシュで使用でき、背中など手が届きにくい部分にも簡単に塗布できるのが特徴です。

クリームジャー容器

クリームジャー容器

クリームジャー容器は、内容物をスパチュラや指で直接すくい取って使用するタイプの容器です。フェイスクリーム、ボディバーム、スクラブ、マスクなど、粘度の高い製品や粒子を含む製品に適しています。

クリームジャー容器には、丸型、角型などの形状があり、製品のコンセプトやブランドイメージに合わせて選択が可能です。ガラスやプラスチック、陶器など、さまざまな素材が使われており、見た目の美しさと機能性を両立した設計ができます。

形状特徴
丸型ジャー・最も一般的な形状
・手のひらにフィットしやすく、内容物をすくいやすい
・デザインの自由度が高く、さまざまなサイズや色、素材を展開できる
・容器が転倒しにくく安定性が高い
角型ジャー・陳列時に美しく見せることができ、視覚的なインパクトを与えられる
・デザイン性を重視した製品に適しており、ブランドイメージの形成にもつながる
・ラベルデザインがしやすい

スティック容器(繰り出し容器)

スティック容器(繰り出し容器)

スティック容器は、固形または半固形の化粧品を円柱状に成形し、容器の底や側面を回転させて、中身を繰り出して使用するタイプの容器です。リップクリームやリップスティック、固形日焼け止め、練り香水など、直接肌に塗布する製品に広く採用されています。

キャップを開ければすぐに使えるうえ、コンパクトで持ち運びにも便利です。外出先や移動中の使用に適しており、手軽さと実用性を兼ね備えた容器といえるでしょう。

形状特徴
スティックタイプ・太めの繰り出し容器
・リップクリームやスティックファンデーション、デオドラントなどに使用される
・容器の底部を回転させることで中身を繰り出し、直接肌に塗布できる
・片手で操作可能で、手を汚さずに使用できる
ペンシルタイプ・細かい部分のメイクに適した細長い繰り出し容器
・アイライナーやアイブロウ、リップライナーなどに使用される
・精密な塗布が可能
・持ち運びやすく、外出先でのメイク直しにも便利

コンパクト容器

コンパクト容器

コンパクト容器は、パウダーファンデーションやフェイスパウダー、アイシャドウ、チークなどの粉体化粧品を収納するための薄型ケースです。内部には鏡やパフ、ブラシなどの付属品を収納できるスペースが確保されており、外出先でのメイク直しにも重宝されます。

形状は丸型・四角型のベーシックな形状から、ハート型やブランドのアイコンを模したユニークなデザインまで存在します。

形状特徴
コンパクトタイプ・化粧料とパフが一体収納されたシンプルな構造
・薄型設計で携帯性に優れる
・鏡が付いていることも多く、外出先でのメイク直しに便利
二段タイプ・パウダー部分とパフ部分が上下に分かれた構造
・薄型・軽量でポーチ内でかさばりにくい設計が特徴
・パフやブラシを清潔に保ちやすく、衛生面にも優れている
・内容物の交換や補充がしやすい設計も多く、利便性が高い

チューブ容器

チューブ容器

チューブ容器とは、柔軟性のあるプラスチックやアルミニウム素材でできた、容器を押して内容物を取り出すタイプの容器です。BBクリームやコンシーラー、ハンドクリーム、日焼け止めなど、さまざまな化粧品に広く使用されています。

チューブ容器は、内容物が空気に触れる面積を最小限に抑えられるため、酸化や雑菌の繁殖を防ぎ、製品の品質を長く維持できます。また、使うにつれて容器が潰れていく構造のため、残量がひと目で分かりやすいでしょう。

塗布付き容器

塗布付き容器

塗布付き容器とは、ブラシや筆などの塗布用アプリケーターが一体化された容器です。マスカラやリキッドアイライナー、リップグロス、ネイルポリッシュなど、細かい部分に内容物を塗布する製品に採用されています。

片手で操作できる利便性と携帯性の高さから、移動中や外出先でのメイク直しにも適した容器です。

エアゾール容器

エアゾール容器

エアゾール容器は、内部に充填されたガスの圧力を利用して、内容物を霧状や泡状に噴射する容器です。ヘアスプレーや制汗剤、サンスプレー、ムース状洗顔料など、広範囲に均一に塗布したい製品に適しています。

ボタンを押すだけで一定量が噴射されるため、手を汚さずに使用できる利便性があります。

化粧品容器の種類を選ぶ際のポイント

化粧品容器の種類を選ぶ際のポイント

化粧品の容器は、製品の品質保持や使用感、ブランドイメージを左右する重要なポイントです。適切な容器を選ぶことは、競合他社との差別化や消費者満足度を高める鍵となります。

ここでは、製品の特性や目的に合った化粧品容器を選ぶためのポイントを解説します。消費者が思わず手に取りたくなる、魅力的な化粧品容器を目指しましょう。

化粧品を保護できるか

化粧品を保護できるか

容器は中身を守る「パッケージ」であると同時に、製品の品質を保つための機能部品でもあります。輸送時の衝撃や落下に耐える耐久性はもちろん、空気との接触による酸化や、紫外線による成分分解を防ぐ遮光・気密性も重要です。

例えば、抗酸化成分やビタミンC誘導体などを含む美容液は、エアレス容器や遮光性の高い容器が適しています。さらに、パウダー製品には、湿気による固化や雑菌繁殖を防ぐため、密閉性に優れた設計の容器が求められます。

製品の価値を最大限に引き出すためには、特性と使用環境に適した保護機能を持つ容器を選びましょう。

化粧品は使いやすいか

化粧品は使いやすいか

化粧品容器の使いやすさは、消費者満足度を大きく左右します。操作のしやすさや使用量が調整しやすい容器を使うと、製品自体の評価にもつながるでしょう。

例えば、朝の忙しい時間帯に使用するスキンケアアイテムでは、片手で操作できるポンプ式ボトルが好まれる傾向にあります。また、マスカラやアイライナーなどのアプリケーターの使い心地、リップスティックの繰り出し具合の滑らかさなどは、塗布感の良さや信頼性に影響するでしょう。

さらに、容器の持ちやすさや安定性も重要です。丸みを帯びた形状や滑り止め加工、倒れにくい底面設計など形状面での配慮も、消費者のリピート購入を促します。

柔軟なデザインが可能か

柔軟なデザインが可能か

化粧品容器のデザインは、製品の価値やブランドイメージを視覚的に伝える要素です。例えば、高級感を演出するためには、重厚感のあるガラス素材や光沢のある金属パーツ、細かな装飾などを用いて、デザインを工夫する必要があります。

使いやすさと魅力的なデザインを両立させた容器は、製品の価値を高めながら、消費者の満足度を上げられます。そのため、機能性だけではなく、美しさとのバランスも追求しましょう。

環境への配慮が可能か

環境への配慮が可能か

近年、エシカル消費への注目度が高まっており、環境への配慮が消費者の購買行動にも大きな影響を与えています。化粧品容器においても、容器の軽量化やリサイクル可能な資源の活用、プラスチック使用量の削減など、環境に配慮した設計が必要です。

消費者にとっても、環境に配慮した容器を使用することで「地球に優しい選択をした」という満足感を得られ、ブランドのイメージ向上にもつながります。

まとめ

まとめ

化粧品容器は材質や形状によって特性が異なり、製品の品質保持や使いやすさなどに影響します。プラスチックの軽さ、ガラスの高級感、金属の耐久性など、容器の特性を活かしながら、製品のコンセプトに合ったものを選びましょう。

日硝実業では、食品や化粧品、医薬品などの包装容器を幅広く手掛け、オリジナル容器の企画から開発・販売までトータルサポートしています。貴社の製品やブランドに最適な化粧品容器づくりを豊富な実績と専門知識でお手伝いします。

化粧品容器のデザインや開発、販売でお悩みの際は、ぜひ日硝実業にご相談ください。

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