食品向け包装機械の導入を検討しているなかで、「種類や特徴が分からない」「自社に適した機械が分からない」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。包装機械を導入すると、作業効率の向上や品質の安定化が期待できるため、自社商品に適した機械を導入することが大切です。
この記事では、食品包装機械の種類、導入のメリットや注意点をご紹介します。自社で食品包装機械の導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
- 食品包装機械の役割と主要な種類
- 包装機械を導入する主なメリット
- 包装機械を導入する際のポイント
食品の包装機械とは
食品の包装機械とは

食品包装機械とは、食品を自動で安全に包装するための機械です。機械を導入することにより、作業の効率化が進み大量生産にも対応しやすくなります。さらに、スピーディーな包装によって鮮度や品質を保持できるほか、細菌やゴミなど異物の侵入を防げることも特徴です。
包装機械にはさまざまな種類がありそれぞれ特性が異なります。導入にあたっては製品の特徴を理解して総合的に判断することが必要です。
食品の包装機械の種類
食品の包装機械の種類
様々な包装機械がある中で、主には以下の5種類に分けられます。
- ピロー包装機
- 給袋包装機
- チューブ包装機
- 真空包装機
- 上包み包装機
自社製品に適した製品を選ぶため、まずは各機械の特徴や機能をチェックしていきましょう。
ピロー包装機
ピロー包装機
ピロー包装機は、食品業界で幅広く使われている代表的な包装機です。包装フィルムを筒状に形成しながら内容物を包み、指定の長さでシールしてカットする包装機械です。包装した形が枕に似ていることから、この名称がついています。
ピロー包装機は任意の長さにカットできるため、形状の長さに関係なく包装できることがメリットです。菓子パン、インスタント麺、餃子やシュウマイなどの冷凍食品、飴やキャラメルなどさまざまな食品に使われています。
ただし、真空包装や無菌包装には対応していないことや、熱に弱いフィルムを使用していることには注意が必要です。
ピロー包装機には縦型ピロー包装機と横型ピロー包装機の2種類があり、それぞれ適する商品が異なるため、各機械の特徴を確認していきましょう。
縦型ピロー包装機
縦型ピロー包装機
縦型ピロー包装機は、製品を上から垂直に落下させて内容物を包むシステムの包装機です。包装フィルムの底と側面をシールし、製品を上から充填して最後に上部をカットする仕組みです。
ソースやドレッシング、小麦粉、調味料といった、液体や粉体の包装に適しています。
横型ピロー包装機
横型ピロー包装機
横型ピロー包装機は、ベルトコンベアで製品を水平に送りながら包装する機械です。フィルムを筒状に成形しながら内容物を包み、両端をシールしてからカットします。
お菓子やインスタントラーメンなどの固形物や、惣菜や冷凍食品などトレーに入った製品の包装に適していることが特徴です。
給袋包装機
給袋包装機
給袋包装機は、形成された袋に製品を充填してシールするタイプの包装機です。レトルト食品、ドライ製品、液体、パック飲料、ジッパー付きの袋など多種多様な商品に対応できます。
また、給袋包装機は輸送効率の向上にもつながります。軽量でコンパクトな包装が可能になるとともに、輸送時に必要となるスペースを最小限にできることが特徴です。
チューブ包装機
チューブ包装機
チューブ包装機は、ワサビやショウガのような液体・半液体製品をチューブ容器に充填し、密封するための機械です。
チューブ包装機は内容物を外部のホコリや菌から保護し、衛生的に保管できます。さらに、機械自体がコンパクトな設計であり、省スペースでも運用が可能です。
真空包装機
真空包装機
真空包装機は、製品を袋に入れて内部の空気を抜き、真空状態にして密封するタイプの包装機械です。酸素に触れない環境を作ることで、酸化や乾燥を防いで鮮度を保ちながら長期保存できることが特徴です。
とくに生鮮食品の保存性を高めたい場合に効果的で、食品ロス削減にもつながります。
上包み包装機
上包み包装機
上包み包装機は、主に箱物の製品を薄いフィルムなどで包む包装機械です。製品を包み込む方法であるため、形の定まった固形物の包装に適しています。キャラメル、チョコレート、クッキーなどの使用に適しており、美しい見た目と保護性を両立できる点が特徴です。
食品の包装機械を活用するメリット
食品の包装機械を活用するメリット

包装機械を使用すると、手作業で課題となっていた点を解消するさまざまなメリットがあります。例えば、作業効率の向上や品質の安定が期待できるでしょう。
ここからは、食品の包装機械を活用する主なメリットを3点紹介します。
作業効率を向上できる
作業効率を向上できる
包装機械を使うことで、包装と出荷にかかる工程を効率化でき、作業スピードの向上が見込めます。
例えば、ピロー包装機の中には1分間に100個以上包装できるものもあり、手作業よりも効率的に製造が可能です。そのため、急な追加発注や繁忙期にも柔軟に対応できるようになり、生産性向上のほか利益の増加にもつながります。
また、作業に必要な人員を削減できるため、人手不足の対策にも効果的です。さらに、包装作業にかかるスタッフの負担も軽減でき、労働環境の改善にもつながります。
安定した包装品質を維持できる
安定した包装品質を維持できる
包装機械を使うことで手作業におけるバラつきやミスを抑え、安定した品質を保てます。手作業の場合、スタッフの熟練度によって包装精度に差が生じやすいことが難点です。人為的なミスにより異物混入や誤包装が生じた場合、信頼の失墜や損害賠償責任を負うリスクもあります。
そこで機械を用いれば、常に均一な品質で包装ができるため、商品の安全性向上にもつながります。顧客からの信頼や満足度の向上も期待できることがメリットです。
コストを最適化できる
コストを最適化できる
包装機械を導入する初期投資は必要になりますが、長期的には人件費や材料費の削減によってコストの最適化が実現できます。
自動化によって包装作業スタッフの人数を抑えられるため、固定費である人件費を圧縮できることが利点です。また、包装機械は必要最小限の決められた量の材料で包装を行うため、資材の無駄も抑えられます。
人件費や材料費といったコストの削減により、浮いた資金を新たな製品開発や設備投資などに回すことができ、全体的な収益性の改善も期待できるでしょう。
食品の包装機械を導入するポイント・注意点
食品の包装機械を導入するポイント・注意点
食品の包装機械を導入することで、作業効率の向上やコストの最適化などが見込めます。ただし、メリットを最大限に発揮するためには、自社に適した製品を導入したりメンテナンスを欠かさず行ったりすることが大切です。
最後に、食品の包装機械を導入するうえで注意すべきポイントをチェックしていきましょう。
自社の生産規模・予算に適しているか見極める
自社の生産規模・予算に適しているか見極める
包装機械を導入するためには、初期投資が必要です。価格はメーカーや機種によってもさまざまなため、機械の特徴やコストをチェックしたうえで導入を検討することが求められます。
包装機械の本体価格はサイズによって異なり、小型~中型の場合は数十万~数百万円、大型の場合は数百万~数千万円になります。また、設置費用も機械によって約50万~500万円程度がかかることも認識しておきましょう。加えて、導入にかかる初期費用のほかに電気代、メンテナンス費用、消耗品代などのランニングコストも必要です。
生産規模によっては、初期投資を回収できない恐れもあります。自社の生産規模や予算を確認したうえで、金額的に導入することが適しているのかを見極めることが重要です。
製品に適した機械を選定する
製品に適した機械を選定する
包装機械は種類によって得意とする食品が異なるため、自社製品の特性に適したものを選びましょう。
例えば、縦型ピロー包装機の場合、スープや調味料など液体や紛体の包装に適していますが、熱に弱いためチョコレートやキャラメルなどの溶けやすい食品には不向きという難点があります。
自社製品の性質や包装形態、保存方法などに応じて、相性の良い包装機を選ぶことがポイントです。
日常的・定期的なメンテナンスを欠かさず行う
日常的・定期的なメンテナンスを欠かさず行う
メンテナンスを怠ると、機械の故障や品質の低下を起こす恐れがあります。包装機械の耐久性と性能を維持するため、半年~1年に1回程度の定期的なメンテナンスが必要です。導入前には、メーカーのサポート体制が整っているかも事前に確認しましょう。
また、日常的に安全点検や機械と部品の清掃をすることも大切です。日々行う作業になるため、分解・清掃がしやすい機械であるかも事前にチェックしておきましょう。
まとめ
まとめ
食品包装に専門の機械を導入することで、作業効率の向上や品質の安定、コストの最適化につながります。食品の包装機械にはさまざまな種類があるほか、メーカーによって金額やメンテナンスの内容も異なります。そのため、商品の特徴や生産規模に合わせて選ぶことが大切です。
日硝実業株式会社では食品用の包装機械の販売に加え、包装機械をお持ちでないお客様の代わりに受託包装事業を行っております。「どの機械が自社に合うのかわからない」「機械選定からサポートしてほしい」「小ロットでの食品包装を委託したい」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。













コメント