ボトルリンサーはガラス瓶や樹脂ボトルなどの容器を自動で洗浄する機械です。人の手で作業した場合と比較すると、圧倒的なスピードと高い洗浄品質を実現できます。
「もっと生産効率を上げたい」「洗浄の質を安定させたい」と考える事業者にとって、導入を検討する価値のある設備といえるでしょう。ただ、ボトルリンサーについて詳しく知らない方も多いかもしれません。
この記事では、ボトルリンサーの種類や活用するメリット、導入時のポイントなどを分かりやすくご紹介します。生産性の向上や衛生管理に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
- ボトルリンサーの概要と導入メリット
- ボトルリンサーの種類
- ボトルリンサー導入時の重要ポイント
ボトルリンサーとは
ボトルリンサーとは

ガラス瓶や樹脂ボトルを自動で洗浄するための装置で、「洗瓶機」と呼ばれることもあります。ボトルリンサーは主に化学薬品や医薬品、化粧品業界で使用されている装置です。
洗浄で使用される媒体は、水・温水や精製水、クリーンエアーなどがあり、ボトルの材質や中に入れる製品に応じて使い分ける必要があります。
洗浄工程は主に「予備洗浄」「循環洗浄」「仕上げ洗浄」の3段階に分かれており、それぞれの工程を経てボトルをきれいに仕上げます。機械での洗浄なら異物混入のリスクを抑えつつ、衛生的な製造が可能です。
また、手作業では難しい洗浄品質の安定や、大量の容器を効率よく処理することができるため、スピードが求められる製造現場でも大いに役立ちます。
ボトルリンサーの種類
ボトルリンサーの種類
ボトルリンサーには機能や洗浄方法ごとに種類が異なり、以下の4種類が存在します。
- 温水洗瓶機
- 超音波洗浄機
- エアー洗瓶機
- 洗瓶乾燥機
順番に特徴を解説していきます。
温水洗瓶機
温水洗瓶機
温水洗瓶機は、容器の内部に水滴を残したくない充填物を扱う場合に適した洗浄機です。容器の内部に温水を噴射して洗浄後、クリーンエアーにて容器内の水滴を除去します。洗浄力が高く、質量の重い異物などの除去に適しています。
洗瓶機は半自動と全自動の2タイプです。半自動タイプでは、容器の出し入れを人が行う必要がありますが、自動タイプは最初から最後まで機械が行うため、全部の洗瓶が終わるまで放置できるのがメリットです。
さらに、容器の外側もシャワーで同時に洗えるため、付着物のある容器の再利用にも向いています。
超音波洗浄機
超音波洗浄機
超音波洗浄機は、水や温水に超音波振動を加え、その振動の力で容器の表面についた汚れを浮かせて洗浄する仕組みです。超音波振動の周波数を変えることで、洗浄レベルを変更でき、高周波を選択することで超精密洗浄が可能です。
化学薬品業界では予備洗浄として導入している事例もあります。循環洗浄や仕上げ洗浄は別の洗浄方法を選択し、予備洗浄のみ超音波洗浄を選択するという組み合わせもおすすめです。
エアー洗瓶機
エアー洗瓶機
エアー洗瓶機は水や温水を使わず、清浄な空気だけで洗浄を行う機械です。洗浄に使用する空気はフィルターを通しており、不純物を含んでいないため、衛生基準が厳しい医薬品・化粧品・食品業界でも安心して使えます。
また、洗浄に水を使わないことからランニングコストが安く、費用負担が少ないため、多くの事業者で導入しやすいのがメリットです。
さらに、静電気除去装置を組み込める仕様もあるため、容器が帯電しやすい場面でも活用できます。精密な管理が求められる薬瓶や、静電気の除去が必要なペットボトルなどに適しているボトルリンサーです。
洗瓶乾燥機
洗瓶乾燥機
洗瓶乾燥機は洗浄だけでなく、瓶の乾燥まで可能な機械です。通常の洗瓶機では、洗浄後の容器に水滴が残るため、次の工程にすぐ使うことができません。
しかし、洗瓶乾燥機は、乾燥した状態で排瓶されるためすぐに使用できます。洗瓶乾燥機の種類によっては、フィルターにより清浄化されたエアーを使い乾燥させるため、わずかな不純物の付着も許されない業界でも対応可能です。
最近の機種では、装置内部で温風を効率よく循環させることで、省エネルギー・省コストも実現しており、環境面にも配慮されています。
ボトルリンサーの洗浄形式
ボトルリンサーの洗浄形式
先にも説明しましたが、リンサーの洗浄方式は大きく分けて「全自動」と「半自動」があります。全自動の場合は、給瓶、洗浄、排瓶を一貫して自動で行えるため、給瓶・洗浄・排瓶までのすべてを機械が行うため、作業効率の大幅な向上が可能です。
一方で、半自動タイプは洗浄こそ自動ですが、容器の出し入れは人が行う必要があります。作業中は担当者が常駐しなければならないため、処理能力は全自動機に比べてやや劣ります。自社の生産規模に合わせて選択すると良いでしょう。
ボトルリンサーを導入するメリット
ボトルリンサーを導入するメリット
ボトルリンサーを導入するメリットは複数あります。
- 高水準な洗浄が可能
- 多種多様な容器に対応できる
- 洗浄効率を向上できる
自社に導入する目的とメリットが乖離していないか確認してください。
高水準な洗浄が可能
高水準な洗浄が可能
ボトルリンサーは精製水やクリーンエアーを使用して、微生物や不純物を高い水準で除去できます。特に、洗浄品質にこだわりたい食品や化粧品、医薬品業界はボトルリンサーがおすすめです。
万が一、洗浄不良の瓶を納品してしまった場合、商品を購入した顧客に健康被害を及ぼす可能性があります。そのため、高い衛生基準が求められる分野向けの容器洗浄であれば、ボトルリンサーでの洗浄が適しています。
また、内容物に合わせて適した機種を選べるのも魅力です。たとえば、水分を嫌う内容物にはエアー洗浄機、帯電を避けたい場合は静電気除去機能付きのタイプなど、用途や業種に応じた選定が可能です。
多種多様な容器に対応できる
多種多様な容器に対応できる
ボトルリンサーは、容量や口径、形状が異なるさまざまな容器に対応できるよう設計されています。商品ごとに仕様の異なる容器を扱う現場でも、1台のリンサーで柔軟に対応できるのが特長です。
形状が異なる容器ごとに別の機械を準備する必要はありません。洗浄対象を切り替える際は給瓶部分の調整が必要なものの、現場に応じたセッティングができるため、複数顧客を取り扱っている事業者の要望にも答えられます。
洗浄効率を向上できる
洗浄効率を向上できる
手作業で洗浄を行う場合、形状の違いによって作業負担やムラが出やすいです。容器の形状によっては、手で洗浄不可能な部分もあります。
ボトルリンサーを導入すれば、どのような容器でも一定の品質で洗浄できるため、作業のばらつきを防ぎつつ、スピーディーで安定した運用が実現できます。
また、手作業では洗える数に限りがあるうえ、人手を増やさないと生産量が上げられないため、どうしても人件費がかかってしまうでしょう。その点、ボトルリンサーなら高速での洗浄が可能なため、生産性の向上とコスト削減につながります。
ボトルリンサーを導入するポイント
ボトルリンサーを導入するポイント
ボトルリンサーを導入する際にチェックするポイントを紹介します。購入前に以下で紹介する2点を忘れずに確認しておきましょう。
洗浄容器に適した機種を選定する
洗浄容器に適した機種を選定する
ボトルリンサーは、洗浄したい容器に適した機種を選ぶ必要があります。瓶の場合、洗浄した際の水や温水を除去するため、瓶の向きを逆さにする反転機構を備えている機種が必要です。
一方で、ペットボトルやポリ容器ではエアー洗浄が主流となるため、反転機構は不要です。その代わり、静電気による埃の付着を防ぐ「静電気除去機構」が求められます。
洗浄したい容器ごとに必要となる機能が変わってくるため、自社で洗浄する容器に必要な機能を把握し、ボトルリンサーを選定することが重要です。
自分で判断できない場合には専門の業者に相談するのが望ましいです。例えば、日硝実業の包装機器・設備ショールーム『ミランネ』では、各種製造機器の実機展示を行っており、ボトルリンサーをはじめとした設備の見学や相談ができます。実際に機器を見ながら、専門スタッフへ質問できるため、具体的な運用イメージがつかみやすくなります。
実物をご覧になりたい方は以下のリンクより事前予約が可能です。
洗浄スピードが生産規模に見合っているか確認する
洗浄スピードが生産規模に見合っているか確認する
ボトルリンサーは機種に応じて1分間に洗浄可能な容器の数が決められています。そのため、導入の前に自社で生産したい商品の本数を満たせる洗浄スピードがあるか把握しておきましょう。
生産規模によっては半自動タイプでは処理が追いつかず、全自動タイプの導入が推奨されるケースもあります。また、必要な機能を盛り込んでいるうえで洗浄スピードが不足するのであれば、2台目の導入も検討すべきでしょう。
まとめ
まとめ
ボトルリンサーは効率的かつ高品質に瓶やペットボトルを洗浄できる機械です。容器に応じた機種を選ぶことで、内容物や業種で求められる清潔レベルに適した洗浄ができます。
導入を検討している方には、日硝実業のショールーム「ミランネ」がおすすめです。ここでは実際の機器に触れながら、専門スタッフに相談したり、容器との相性を確認したりすることができます。サイズ感や操作方法など、導入後の運用イメージもつかみやすくなります。
興味をお持ちの方は、以下のリンクから事前予約のうえ、ぜひ足をお運びください。













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