環境配慮型パッケージとは?導入が進む背景や具体例・メリットを解説

日硝実業株式会社|NISSHO JITSUGYO CO,.LTD.

近年、世界的な脱炭素化の流れやプラスチック資源循環促進法の施行により、「環境配慮型パッケージ」への注目が急速に高まっています。理由は、従来の利便性だけでなく、リサイクル性やバイオマス素材の活用など、地球環境への負荷を低減する工夫が企業に求められるようになってきたためです。

本記事では、環境配慮型パッケージの導入がなぜ今加速しているのかという背景から、企業が導入するメリット、最新の具体的な活用事例まで、分かりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 環境配慮型パッケージとはどのようなものか
  • なぜ注目が集まっているのか
  • 導入するとどのようなメリットがあるのか、どのように選べばよいのか
目次

環境配慮型パッケージとは?

環境配慮型パッケージとは?

環境配慮型パッケージとは、物品の保護や利便性といった本来の包装機能を維持しつつ、地球環境への負荷を最小限に抑えるよう設計された包装のことです。具体的には、以下の「4R」の視点を複合的に取り入れたものが、環境配慮型パッケージと位置づけられます。

Reduce(削減)材質はそのままで素材の厚みを薄くし、使用する資源や排出されるゴミの総量を減らす
Reuse(再利用)使い捨てにせず、繰り返し使用できる形状や仕組みを採用する
Recycle(再資源化)使用済み包装を廃棄せず、新たな原材料や製品として再生利用する
Replace(代替素材への転換)環境負荷の高い石油由来のプラスチック素材を、紙やバイオマスなど、より環境に配慮した持続可能な素材へ置き換える

このように、単一の取り組みに留まらず、製品の企画・製造から消費者の使用、そして廃棄に至るまでのライフサイクル全体を見据え、環境への悪影響を極力減らすことを目的とした製品を指します。

近年では、企業が環境配慮型パッケージを採用することは、単なるコスト負担ではなく、SDGsへの貢献やブランド価値を高める重要な経営戦略として捉えられるようになりました。環境への姿勢を明確に示すことが、消費者からの信頼や支持につながっています。

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環境配慮型パッケージの導入が進む背景

環境配慮型パッケージの導入が進む背景

環境配慮型パッケージの導入が進む背景には、主に以下の3つが関係しています。

  • 進み続ける地球温暖化
  • 限りある石油資源への懸念
  • 迫る最終処分場の残余年数

順番に解説していきます。

進み続ける地球温暖化

進み続ける地球温暖化

プラスチック製パッケージの多くは石油を原料としており、使用後に焼却されると、石油由来の炭素が二酸化炭素として大気中に放出されます。二酸化炭素は代表的な温室効果ガスの一つであり、その排出量の増加は地球温暖化を加速させる要因です。

そのため、プラスチックの使用量そのものを抑える取り組みが注目されています。加えて、繰り返し使用できる素材や、環境負荷の低い代替素材を採用することで、焼却量を減らし、温室効果ガスの排出削減につなげようとする動きが広がっています。

限りある石油資源への懸念

限りある石油資源への懸念

出典:エネ百科|一般財団法人日本原子力文化財団

プラスチック製パッケージの主な原料である石油は、無尽蔵に存在する資源ではありません。可採年数には明確な限界があり、将来的な枯渇が懸念されています。

経済産業省の資源エネルギー庁が公開している「令和3年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2022)」によると、石油の可採年数は、2020年末時点で53.5年とされています。

こうした背景から、使い捨てを前提としたパッケージの在り方が見直されるようになりました。使用量の削減や、石油に依存しない代替素材への転換は、限りある資源を長く使うための重要な取り組みの一つとして注目されています。

迫る最終処分場の残余年数

迫る最終処分場の残余年数

日本では廃棄物を最終的に埋め立てる最終処分場の容量不足が深刻な課題となっています。可燃ごみは焼却処理によって容積を減らしたうえで最終処分場へ搬入されますが、その受け皿にも限界があります。

環境省が公表した「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和5年度)について」によると、最終処分場の残余年数は、2023年度末時点で24.8年しか残っていません。

このまま大量生産・大量廃棄の構造が続けば、将来的に新たな処分場の確保は一層困難になる可能性があります。廃棄量そのものを減らすという観点からも、環境に配慮したパッケージの導入が重要視されています。

環境配慮型パッケージの具体例

環境配慮型パッケージの具体例

環境配慮型パッケージは以下の2種類に分けられます。

  • 環境に配慮した素材の使用
  • 容器の薄肉化・軽量化
  • リターナブル容器の使用

それぞれの具体例を紹介します。

環境に配慮した素材の使用

環境に配慮した素材の使用

環境配慮型パッケージでは、使用する素材そのものを見直す取り組みが進んでいます。素材選択を工夫することで、地球環境に対する負荷を多方面から低減することが可能です。

例えば、植物由来素材を用いることで、カーボンニュートラルの考え方に基づき、大気中の二酸化炭素増加を抑制できます。また、再生材や非石油系素材を活用すれば、限りある石油資源の消費削減につながるでしょう。

さらに、自然環境中で分解されやすい素材を選択することで、海洋汚染や生態系への影響を抑える効果も期待できます。

ここでは、代表的な素材を紹介します。

再生紙

再生紙

再生紙とは、新聞や雑誌、牛乳パックなどの紙をリサイクルして作られた紙です。再生紙を使用することで資源の有効利用になり、森林資源の持続可能な利用に貢献できます。

また、再生紙の活用によって紙ゴミの発生を抑えられ、廃棄物を減らすことにもつながります。

FSC認証紙

FSC認証紙

FSC認証紙とは、環境や社会に配慮して、厳格に管理された森林の木材を使用して作られた紙です。国際的なNPO法人であるFSC(森林管理協議会)が認証制度を運営しています。

FSC認証紙を使用すると、森林保全の支援や地球環境の保全に貢献できます。再生紙とは異なり、新しく伐採した木材から作られたバージンパルプだけを使用しているため、印刷適性や耐久性に優れる点が特徴です。

そのため、ブランドイメージや質感を重視する製品にも採用しやすくなっています。製品パッケージに「FSCロゴマーク」を掲載することで、環境保護への姿勢を消費者に直接、かつ信頼性高くアピールできる点もメリットです。

バイオマスプラスチック

バイオマスプラスチック

バイオマスプラスチックとは、再生可能な有機資源由来の原料からつくられるプラスチックです。トウモロコシやサトウキビなどの非枯渇資源が主な原料として使われています。

原材料となる植物は、育成過程で光合成により大気中のCO2を吸収します。使用後に焼却した場合はCO2が排出されますが、原料の生産から廃棄までを含めたライフサイクル全体で見ると、CO2の排出と吸収のバランスを取りやすく、大気中のCO2を増加させにくい点が特徴です。

こうした特性から、バイオマスプラスチックは化石燃料への依存を減らし、循環型社会の実現を後押しする素材として注目されています。近年では、食用資源への影響を避けるため、稲わらなどの非食用資源を活用した技術開発も進んでいます。

生分解性プラスチック

生分解性プラスチック

生分解性プラスチックとは、微生物などの働きで二酸化炭素と水にまで分解され、自然へ還るプラスチックです。化石資源由来(石油など)のものと、バイオマス由来のものがあります。

野外に捨てられたプラスチックごみが海へ流れ込んでしまう海洋ごみ問題に対して効果を発揮しますが、完全に生分解させるには特定環境が必要です。土壌や水中など、分解が進行する条件は素材ごとに異なるため、用途に応じた適切な選定が欠かせません。

現在は、より過酷な海洋環境下でも速やかに分解される技術の研究・実用化が急ピッチで進められています。

容器の薄肉化・軽量化

容器の薄肉化・軽量化

プラスチック容器や缶、びんなどの厚みを薄くし、全体重量を軽量化することで、容器原材料の使用量を削減できます。

薄肉化・軽量化は、いわゆる「リデュース」の代表的な施策です。資源保護だけでなく、梱包材の削減や積載効率の向上にともなう物流コストの抑制も可能です。環境負荷と経費の双方を同時に削減できる、持続可能な戦略として多くの業界で導入が進んでいます。

具体的な事例として、アサヒビール株式会社では、ビールびんの軽量化に取り組み、配送工程で発生するCO₂排出量の削減を実現しています。この取り組みが評価され、「第12回ガラスびんアワード 環境優秀賞」を受賞しました。

参考:取組み別 _ 環境配慮設計事例集 _ 一般財団法人 食品産業センター

リターナブル容器の使用

リターナブル容器の使用

リターナブル容器とは、使用後に回収・洗浄を行うことで再利用できる容器です。日本では、ビールや日本酒などの飲料に使用されています。再利用を前提としているため、使い捨てごみが発生しにくく、原材料や製造時のエネルギー消費を抑えられます。資源循環の観点から見ても、環境への負荷が小さい仕組みです。

役目を終えた容器も、新しい容器の原料や別用途の素材として再利用されます。近年は、びん以外にも、梱包材やイベント時のコップ・皿などに、リターナブルの仕組みを活用しているケースも増えています。

また、購入者が支払った預かり金を、容器返却時に返金するデポジット制度を採用するケースが多く、リピーターを獲得しやすくなるのもメリットです。

環境配慮型パッケージを導入するメリット

環境配慮型パッケージを導入するメリット

環境配慮型パッケージを導入するメリットは3つあります。

  • 企業としての社会的責任を果たせる
  • 企業のイメージやブランドの信頼性の向上につながる
  • ビジネスの幅を広げるきっかけになる

順番に解説していきます。

企業としての社会的責任を果たせる

企業としての社会的責任を果たせる

環境配慮型パッケージの導入は、製品づくりを通じて環境問題に向き合う企業姿勢を示す取り組みの一つです。こうした取り組みは、SDGsやカーボンニュートラルといった国際的な目標とも方向性を同じくしています。企業が社会の一員として果たすべき役割を具体的な形で示す手段といえるでしょう。

プラスチック使用量の削減や資源循環への配慮は、廃棄物削減や温室効果ガスの抑制につながります。気候変動や海洋汚染が深刻化するなか、製品のライフサイクル全体で環境負荷を抑える姿勢は、現代の事業活動において欠かせません。

環境配慮型パッケージを導入することは、資源を消費して価値を生む主体として、廃棄段階まで責任を持つ「拡大生産者責任」を全うすることに直結します。

企業のイメージやブランドの信頼性の向上につながる

企業のイメージやブランドの信頼性の向上につながる

環境配慮型パッケージの導入は、企業が環境問題に真摯に向き合っている姿勢を、消費者や取引先に伝える有効な手法です。環境配慮型パッケージを導入している取り組みは、SDGs経営への積極的な対応として評価され、企業イメージやブランドへの信頼感の向上につながります。

環境への配慮は購入時の判断材料の一つとして意識される場面も増えており、製品やサービスを継続的に選んでもらう理由になります。

また、SDGsへの取り組みへの影響は消費者だけではありません。企業の価値観に共感する人材を惹きつけやすくなり、採用面でのプラス効果も期待できるでしょう。

以下の記事ではエシカル消費について詳しく解説しています。

エシカル消費とは?意味や重要性、実践できる取り組み・事例をわかりやすくご紹介

ビジネスの幅を広げるきっかけになる

ビジネスの幅を広げるきっかけになる

環境配慮型パッケージの導入は、同じ価値観を持つ企業や団体との新たなつながりを生み、ビジネスの幅を広げるきっかけになります。環境への取り組みを軸に、地域との連携が生まれ、新たな取引先や事業パートナーと出会うケースもあります。

また、環境配慮を前提とした商品企画やサービス開発が、新しい事業や市場の創出につながることもあるでしょう。パッケージの見直しが、次のビジネスチャンスを考える出発点となることも少なくありません。

異業種間での資源循環モデルの構築といった、単独では困難だったイノベーションも可能です。共通の社会課題に取り組む過程でネットワークが強化され、持続可能な産業構造への転換を後押しします。

環境配慮型パッケージを選ぶポイント

環境配慮型パッケージを選ぶポイント

環境配慮型パッケージを選ぶポイントを2つ紹介します。

  • 製品の特長に合った機能性を持っているか
  • 製品の世界観・ブランドに適しているか

選び方を間違えてしまうと、自社のイメージを損なったり、購入意欲を下げる要因となる可能性があります。選び方をしっかりと把握したうえで選定しましょう。

製品の特長に合った機能性を持っているか

製品の特長に合った機能性を持っているか

パッケージの基本的な役割は、内容物を保護することです。耐久性や耐熱性、防水性などの強度が自社製品の特徴と適合しているか確認する必要があります。

加えて、自社製品の見た目や味を損なわないかという点も重要です。素材選びに迷う場合は、専門知識を持つ企業に相談しましょう。

製品の世界観・ブランドに適しているか

製品の世界観・ブランドに適しているか

パッケージは、商品そのものよりも先に消費者の目に触れる「ブランドの顔」です。そのため、自社が大切にしている「ブランドのストーリー」や「世界観」と、パッケージの素材感が一致しているかどうかも留意しましょう。

プラスチックの使用量やCO2排出量の削減といった環境性能を追求しつつも、デザインの表現力や創造性を損なわない素材・製法を選定することが大切です。 環境配慮型パッケージの中には、従来の素材に比べて鮮やかな発色が難しく、内容物の風味に影響を及ぼす特性を持つものもあります。

意図した質感や機能性が保たれているか、試作段階で入念な検証をし、見た目の美しさ、使いやすさ、環境性能を高い水準で両立させましょう。

まとめ

まとめ

環境配慮型パッケージは、4Rの視点から地球温暖化、資源枯渇、廃棄物問題の解決に貢献します。同時に、企業の社会的責任を果たし、ビジネスの可能性を広げる重要な戦略です。

日商実業株式会社では、持続可能な社会の実現を目指すSDGs宣言のもと、環境負荷の少ない包装資材の提案に取り組んでいます。製品の特性やブランドイメージを踏まえた素材選定から、環境経営を見据えたパッケージ設計まで、実務視点でのサポートが可能です。環境配慮型パッケージの導入をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。

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